なんだか急に不思議な質問をされた気がするだろう。でも、これ本当に重要なテーマなんだ。
多くの人が人生がうまくいかない原因として、努力不足とか、運が悪いとか、周りの環境が悪いとか、そういった外的要因を挙げる。でも、実はもっと根本的な問題がある。それは、自分に「楽しんでいい」という許可を与えていないことだ。
楽しむことが人生を動かす鍵
どうして楽しむことが重要なのか?それは、人生をうまく運ぶためには楽しむことが不可欠だからだ。つまらなそうな顔をして、嫌々物事に取り組んでも、結果は絶対についてこない。
人生の成功を図る公式をひとつ覚えてほしい。
結果=行動量×感情
どれだけ行動しても、そこにネガティブな感情が伴っていたら、良い結果には辿り着けない。この公式は、スポーツでもビジネスでも人間関係でも、どんな分野にも当てはまる普遍的な真理だ。
「いやいや、僕は楽しんでますよ!」と思った人もいるだろう。でも、ちょっと待ってほしい。その”楽しんでいる”という感覚、実は顕在意識でしか感じていない可能性がある。
顕在意識と潜在意識の違い
ここで、顕在意識と潜在意識についてもう少し詳しく説明しよう。
顕在意識
- 顕在意識とは、日常生活で私たちが意識的に使っている部分のこと。
- たとえば、「今日は何を食べようか」「明日の予定をどうしよう」と考えるとき、私たちは顕在意識を使っている。また、「この映画は面白いな」「この景色は綺麗だな」と感じるときも同じ。
- 顕在意識は、目に見える行動や感情に直結している部分だ。
潜在意識
- 一方で、潜在意識は私たちの意識の深層にある部分で、普段は直接気づくことがない。
- たとえば、幼少期に親から言われた何気ない一言や、周囲の人々から受けた小さな影響が潜在意識に蓄積される。それらは時間が経つにつれ、私たちの価値観や行動の基盤となる。
- 潜在意識は顕在意識に大きな影響を与える。たとえば、何か新しいことに挑戦しようとすると「自分には無理かもしれない」と心の奥底で思ってしまう場合、それは潜在意識から来ている。
重要なのは、潜在意識は私たちの感情や行動の70〜90%を司っていると言われるほど、強い影響力を持つ。たとえ顕在意識で「楽しんでいる」と思っていても、潜在意識が「楽しむことは危険だ」と感じていれば、無意識のうちにその感情が行動を制限してしまうのだ。
なぜ潜在意識が「楽しんではいけない」と思うのか?
この原因の多くは、私たちが幼い頃に受けた影響に由来している。
家庭環境
- 家の中がいつもピリピリした空気だったり、親の顔色を伺う日々が続いたりしていたら、それは強く心に残る。
- たとえば、親が忙しくて不機嫌な日が多かったり、夫婦間の不和が子供に伝わってしまったりする状況だ。
自分を守るための本能
- 親が不機嫌なとき、子供はその空気に合わせることで自分を守ろうとする。
- 「親が怒っているのに、自分だけ笑っているのはおかしい」と思い、無意識に親と同じ感情を共有しようとする。この対応は子供にとって自然な自己防衛だ。
一緒にいるための努力
- 子供にとって、親は生存に不可欠な存在だ。
- だから、親とのつながりを保つために「自分も親と同じ感情を持たなければいけない」と思い込む。
- その結果、「楽しむこと=親から遠ざかること」という誤解が潜在意識に刻まれる。
こうした記憶や体験が心に根付くことで、「楽しむことは危険」というメッセージが無意識のうちに形成される。それが大人になっても解消されないまま、無意識のブレーキとなってしまうのだ。
読者の中には、こうした経験に少しでも心当たりがある人がいるかもしれない。「あのとき感じた親の怒り」「楽しそうにすることで受けた小さな叱責」――そうした些細な記憶が、実は大きな影響を与えていることがある。
だから今楽しむことを考えるよりも自分の中に楽しめない原因が何かあるかもと考えていることが重要なのだ。
原因がわかった場合、その原因に対してどう向き合うべきかも鍵となる。幼少期の自分に向き合い、「その頃は辛かったね。でも、もう楽しんでいいんだよ」と語りかけることが重要だ。この内面的なケアは、潜在意識の変化を促し、真に自分を楽しむことができるようにする一歩となる。
ちなみにこのケアの方法はこの本で詳細に説明されている。
わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学― 橋本 翔太 (著)
潜在意識が変わると人生が変わる
潜在意識まで「楽しんでいい」と思えるようになったとき、初めて本当の意味での行動ができるようになる。そして、その行動が良い結果を引き寄せるようになる。
もし今、人生がうまくいかないと感じているなら、一度立ち止まって自分の潜在意識と向き合ってみてほしい。過去の自分を癒し、楽しむことへの許可を出すことで、あなたの人生は少しずつ変わり始めるだろう。
さあ、今日から小さな一歩を踏み出してみよう。
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